ホワイトニングのウソホント 医療機関が言わない本音を話します

笑った時に見える白くキレイな歯。

晴れた日の太陽の光の下で見える白い歯は特にきれいです。

白い歯を目指して多くの方が施術する、歯のホワイトニング。

管理人は歯科衛生士として、多くの患者さんにホワイトニングしてきました。

多くの患者さんが気になる、「高額な費用と引き換えにそれだけの効果が得られるのか?」

その悩みの本当の答え。

ホワイトニングしたことで、「こんなことならホワイトニングしなきゃよかった」とならないために、ホワイトニングの本当のところをお話ししていきます。

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高額な費用に伴う効果はきちんと得られるのか?

ホワイトニングを希望される患者さんの多くが質問される言葉に

「ホワイトニングしたらどれくらい白くなるでしょうか?」

と、いうものがあります。

模範解答としては「歯の質によって効果には差がありますので、どれくらい白くなるかはやってみないとわかりません」

です。

そう、その通り!簡潔に言うとそのとおりなんですけど、、、

実際に多くの歯科医院のホームページをみても同じことが書いてあります。

でも、実際に多くの患者さんを施術するようになると、患者さんのお口の中の状態や施術時の年齢などから、どの程度効果が出るのかは大体予測がつくようになります。

まず、施術時の年齢が若い人(20代から30代)の患者さんはホワイトニングの薬剤の効果が高く出やすいです。

…と、いいますのも、

歯というのは地層のように、いくつかの組織が層を成して成り立っています。

歯の外側の白い部分はエナメル質。
エナメル質の内側の黄色味を帯びた組織が象牙質。

そのエナメル質が薄くなり、元々、黄色味を帯びた組織の象牙質が更に色が濃くなり、全体的に歯の黄ばみが強くなるというのが加齢と共に避けられない事なのですが

ホワイトニングの薬剤はエナメル質に作用するものなので、エナメル質の薄くなっている歯には効果があまり見られない…といいますか、ホワイトニング薬剤の効果がエナメル質にきちんと作用していても、エナメル質が薄いために、あまり効果を実感出来ないという事になりやすいです。

年齢が若い方はエナメル質の厚みもしっかりある方が多いので、効果を実感しやすいというところです。

全ての年齢の方に効果がないわけではないですが、実感しやすいのは若い年齢の方が多いというのが本当のところです。

ホワイトニングは自由診療 高額な費用だから効果が高いというわけではない

歯科医院で行われるホワイトニングは治療ではないので、健康保険を使って安価で施術してもらうことは出来ません。

健康保険証が使えるのは怪我や病気での治療、見た目を良くする為の施術は全額自己負担となります。

と、いうことで、歯科医院でのホワイトニングの費用は歯科医院側が自由に料金設定出来る「自由診療」というものに当たります。
(対して、健康保険が使える治療などは保険診療と呼ばれます)

自由診療ですので、歯科医院によって料金設定が違い、ホワイトニング1回の施術費用も1万円から5万円などバラツキがみられます。

高額費用のカラクリについては、その歯科医院の規模や人件費などいろいろ絡み、何とも言いようがなく、同じような施術の流れ、薬剤を使用していても、費用には差があるのが現状です。

ですが、ホワイトニングで使用する薬剤の種類によって値段に差があることは間違いないので、その事にはちょっと触れておきますね。

【ホワイトニングで使用される薬剤について】

ホワイトニングで効果がしっかりある薬剤は「過酸化水素」と呼ばれるものです。

過酸化水素は簡単に言うと漂白剤なのですが、取り扱えるのは医療機関や有資格者となっています。

そのため、「ホワイトニングサロン」「セルフホワイトニング」などの、特に有資格者でなくても安価(1万円以下など)で安易にホワイトニングが出来るように謳っているサロンなどのお店で取り扱っているホワイトニングの薬剤は、ポリリン酸、メタリン酸(2つ共、漂白効果はなし)などが多いです

これら2つの主成分がホワイトニング薬剤として使用されてる場合は効果がないため痛みは出ませんし、歯科医院でのホワイトニング時に必ず行われる歯ぐきや粘膜の保護の必要性もありません

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特に有資格者でなくてもいいわけですが、いくら低価格でも効果がないのは困りますよね…。

歯科医院などの医療機関で扱っている薬剤でも、それぞれの歯科医院で違いますので、心配な場合は問い合わせてみるのが一番です。

中には、ポリリン酸やメタリン酸を過酸化水素に混ぜて使用している歯科医院もあります。(その場合効果は緩やかです)

ホワイトニングを受けようとしている歯科医院で使用している薬剤は何なのか、聞いてみてからホワイトニングを受けましょう。

ホワイトニングで出来た斑点(ホワイトスポット)はホワイトニングを続けていけば消える はウソ

ホワイトニングと歯の斑点(ホワイトスポット)の両者は切っても切れない?というか密接な関係にあります。

元々、歯に白い絵の具をちょっとつけてしまったような、永久歯のやや黄ばみのある歯の表面に浮いたように白い斑点が見られる歯をお持ちの患者さんがいらっしゃいます。

その白い斑点が何かといいますと、エナメル質形成不全の一種で、多くの方が虫歯になりかけた状態で進行がストップし、そのまま斑点が残ってしまったケースです。

虫歯の進行というのは
①エナメル質の脱灰(歯が浮いたように白っぽくなる)
②白から茶色、そして黒っぽく変色していく。
③歯に穴があく

簡単に説明しますと、こんな感じですが…

その1番初めの状態(①)で虫歯の進行が止まり、進行が止まると、元々の永久歯本来の色に戻る場合(これを再石灰化といいます)

そのまま戻らず残る場合(エナメル質形成不全)で分かれます

歯の白斑は、そのまま戻らず残った場合、なのです。

前置きが長くなってしまいましたが…

ホワイトニング前に、元々歯の表面に白斑があった場合はホワイトニングすることで、その白斑がだんだん目立たなくなっていくので、ホワイトニングすることをお勧めできます

ですが問題は、「ホワイトニングしたことで白斑が現れた場合」です。

元々は永久歯本来の色でしかなかった歯が、ホワイトニングしたことで白斑が現れてしまう…。

見た目には明らかに不自然な白い白斑がホワイトニング後に現れたらショックですよね。

自分が求めてる白さは綺麗に均一な白さであって、一部分だけ目立つ白い斑点は要らないって思ってしまいますよね。

実際どうなるか、ホワイトニング後に白斑が出るかどうかは施術し終わってみないとわからない、というのが本当のところです。

歯科医院のホームページを見ると、白斑が出現しても、ホワイトニングを重ねるとやがて目立たなく消えていきます。と書いているホームページもありますが、消えることはありません。

「まあまあ目立たなくできる」

が本当のところです。

これは個人的見解ではありますが、

実際にホワイトニング後に白斑が出現した患者さんには共通点がありました。

①小さい頃から虫歯になりやすい。
②甘い食べ物、飲み物が好きで飲食の回数が多い
③年齢が若い

ホワイトニング後に白斑が出現する歯はおそらく過去に

虫歯になりかけエナメル質が脱灰(白斑になった)

虫歯の進行が止まり再石灰化した
(白斑は永久歯本来の色に戻った)

ホワイトニングで薬剤を使用されたことで戻ったはずの白斑が出現

といったパターンではないかと思っています。

小さい頃から虫歯の治療に通っていた、今でも甘い飲食物を摂取する機会が多いかたはホワイトニング後の白斑出現のリスクは高めだと思います。

「こんなことになるならホワイトニングしなきゃよかった」とならないためにもよく考えて施術に踏み切ってくださいね。

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おわりに

ホワイトニングは決して安い費用ではありません。受けるのに思い切って来院される患者さんがほとんどです。

みなさんが納得のいくホワイトニングが受けられるように、参考になれば幸いです。

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